電話

A: 今日は何もすることがないな。テレビでも見ようかな。
B: そうだね。でも、この時間に面白い番組はないよ。ホラー映画でも見る?
A: ホラー映画?いやだよ、怖いじゃないか。それに、ホラー映画は全部同じだよ。予測できる展開ばかりだよ。
B: そんなことないよ。このホラー映画は違うよ。とてもリアルで、観客が本当に死んじゃうんだって。
A: 本当に死んじゃう?それはありえないよ。どうやって死ぬの?
B: それはね、この映画には呪いがかかっているんだって。映画の最後に、画面に電話番号が出てくるんだけど、その番号に電話すると、死ぬんだって。
A: えっ?それは怖すぎるよ。誰がそんなことをするの?
B: さあ、分からないけど、試してみる?
A: 試すも何も、そんな番号に電話しないよ。絶対にしないよ。
B: じゃあ、私が電話してみるよ。怖くないもん。
A: 本気でやめてよ。冗談じゃないよ。
B: 大丈夫だって。さあ、映画が始まったよ。見ててね。

A: ねえ、B。本当に電話しないでよ。危ないよ。
B: 大丈夫だって。ただの映画だよ。信じないでよ。
A: でも、もし本当だったらどうするの?もし、本当に死んじゃったらどうするの?
B: そんなことないよ。絶対にないよ。心配しないでよ。
A: じゃあ、せめて私と一緒に見てよ。一人で見るのは怖いよ。
B: いやだよ。私は一人で見たいんだ。あなたは邪魔だよ。
A: えっ?邪魔?私はあなたの友達じゃないの?
B: 友達?そんなことないよ。私はあなたを利用してるだけだよ。
A: 何?利用?どういうこと?
B: それはね、この映画にはもう一つの呪いがあるんだ。電話する人が死ぬだけじゃなくて、一緒に見てる人も死ぬんだ。
A: え?
B: だから、私はあなたを誘ったんだ。あなたが死ねば、私は生き残れるんだ。
A: そんなことをするなんて、信じられない!ひどい!
B: 信じられなくても、事実だよ。さあ、映画が終わったよ。画面に電話番号が出てきたよ。
A: 助けて!誰か助けて!
B: 助けてもらえないよ。ここは誰も来ないよ。さあ、さようなら。電話するね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました