友達との約束

短編小説

明と匠は幼なじみで、ずっと仲良しでした。二人は同じ高校に通っていて、同じ部活にも入っていました。明はサッカーが得意で、匠は勉強が得意でした。二人は互いに尊敬し合っていて、将来の夢も共有していました。明はプロのサッカー選手になりたいと言っていました。匠は医者になりたいと言っていました。

ある日、二人は放課後にサッカーをしていました。明はボールを蹴ってゴールを決めようとしましたが、匠がふざけて邪魔をしました。二人は笑いながら倒れ込みました。その時、明の顔色が急に青くなりました。匠は驚いて明の顔を見ましたが、明は目を閉じて動かなくなりました。

匠は慌てて救急車を呼びましたが、すでに遅かったです。明は心臓発作で死んでしまいました。匠は信じられない気持ちで泣き崩れました。明の死因は先天性の心臓病だと分かりました。明は自分の病気を隠していたのです。匠はなぜ教えてくれなかったのかと悔やみました。

数日後、匠は明の家に行きました。明の母親から、明が残した手紙を渡されました。手紙にはこう書かれていました。

「匠へ

お前と一緒に過ごした日々は、俺にとって最高の思い出だったよ。お前は俺の一番の友達だったよ。ありがとう。

俺は生まれつき心臓が弱くて、長く生きられないことを知っていたんだ。でも、お前に言えなかったんだ。お前が心配すると思ったから。俺はお前と普通に楽しく遊びたかっただけなんだ。

でも、俺にも一つだけお願いがあるんだ。それは、お前が医者になることだ。お前は勉強ができるし、優しいし、人助けが好きだから、きっと素晴らしい医者になれるよ。俺はお前のことを応援してるよ。

最後に、約束してくれよ。お前は自分の夢を諦めないで、幸せになるんだよ。それが俺の願いだから。

さようなら。

明より」

匠は手紙を読んで涙があふれました。明は自分のことを思って死んでいったのです。匠は心から感謝しました。そして、決心しました。自分は必ず医者になって、明の分まで生きると。

それから数年後、匠は東京大学医学部に合格しました。彼は卒業式の日に、サッカーボールを持って墓参りに行きました。明の墓に向かって、彼は笑顔で話しかけました。

「明、お前のおかげで俺は医者になれたよ。ありがとう。これからもお前のことを忘れないよ。お前は俺の一番の友達だから。」

匠はボールを蹴って空に向かって飛ばしました。ボールは青空に消えていきました。匠は明のことを思い出しながら、幸せな気持ちで微笑んだ。

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